おかしい報道と研究者たち。

 

 前回の記事で、他にも今回の差し替えについて説明している人がいたので、メモ的に補足する。朝日新聞記者の伊丹和弘氏である。こちらも、大貫氏がかみついていた相手になるのだが、まとめて引用しておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うむ、読めば読むほど、ごくごくまともな解説でどこにケチをつける要素があるのか分からない。わからないのだが、何故かこれをめぐて「あいつは新聞は捏造するものだ信用ならない」というようなツイートが見られたので、実に謎である。

 

 

 

 

 伊丹氏は上3つを引用したあとで4つめをツイートしていて、嫌味たらしくはある。しかし、これは確かにそうなのである。今回の話、当たり前のことながら研究者がかなり反応しているのだが、どうもその結果、まともにツイートを読んでない研究者勢、という姿が結構目立って、そういう人がリテラシーのようなものを説いたりするとそれは?という状態になっている。

 別に専門外のことについてとんちんかんでも専門内容についてちゃんとしてればいいとも思うんだけども。思うんだけども、話の起点が科学についての報道、なのでかなり滑稽なことになってるのは確か。まあ、その報道がさらに科学についての捏造をめぐる話題、ということで一層ややこしくなっているわけだが。

 たとえば、えふわら氏(本名は非公開だが、おそらく某国立大学の工学系の教員ではないかと思われる、「元」がついているので異動したのかもしれない)は

 

  そもそも、そんな話をしてないのだからどうしようもない。

 またえふわら氏はこんなツイートもRTしているのだが、そんなこと言って擁護してる人は見当たらないし、田中氏にしろ伊丹氏にしろ、隠蔽や捏造をよしとしているような発言はしていない。

 

 

 まあ、なにかあると意地でも裏張りしたい!というような人はどこにでもいるから、ツイッターの海のどこかにはいてもおかしくないんだろうけど、この話を言及している人のRTがしているものや引用しているものをどう見ても、伊丹記者や田中氏のツイートにいちゃもんをつけてるケースばかりなんだよね。

 しかしこういう光景、どこかで見たなあ、と頭をひねって思い出した。原発事故の直後に、その量の放射能なら住めなくなるなんてありませんよ、福島産の食品は食べても大丈夫ですよ、とか「説明」されると勝手に先走って御用学者呼ばわりしてた人たちだ。

 

 毎度おなじみ(もういいよ……)の菊池誠氏はこんなことを口走っている。

  それ、今の話と関係ないよね?

 あなたがそういうこと言ってると、大阪大学の先生と学生が何をされても「まずあのツイッターでとんちんかんな政治談義をやってるやつをきちんと総括しろ」って言われることになっちゃいかねないんですよ。

 「プロメテウスの罠」には思うところはあるのだが、もはや便利カード代わりに使っておけばいいやあみたいなこういう態度、肝心の内容についての批判まで風化させると思うのでやめたほうがいいと思うんだけどな。

 

   大きめの大学だと、名物教授という名のやべーやつが一人くらいいたりするよね。

 

 もう一人、この人も匿名の研究者なのだが、fa_censor氏は、社会学が専門らしく、分析めいたツイートをしている。

 

 

 

  うん、慣習を説明してるだけで慣習をタテに擁護しようとしてた人は自分が見たところでは見当たらないのだが、どこかにいたのかしら、という疑問再び。

 そして、普段マスコミのいい加減さにうんざりしていたからといって、いい加減に叩いていいという話にならないのは、もう何度目だかわからないのだが言うまでもない。「怨念の蓄積」などといったところで、別に正当化されるわけではないのである。

 こういう今回のマスコミへの「科学」勢への態度、何かでみたなと頭をひねってみたら、ああそうだ、福島第一原発事故後に、東電で末端社員に向けてなんでもやっていいかのようにバッシングしていた「反原発(の一部)」だ。おかしいな、さっきの放射能の話もそうだが、こういうのを批判したがりな人と、層が重なってるような? ちなみにえふわら氏も反原発をくさすようなツイートをここ数日だけでもちょくちょくRTしている。科学的態度とは何か(哲学)

 

 とか考えていると、以下の話は考えさせられると思ったのでついでに引用。

 

 

 ところで上で言及したえふわら氏、たまにツイートが回ってきて割と頷くことが多い人だっただけど、今回まとめて読んでいたら、ずいぶんと可笑しげなツイートが見つかった。可笑しいツイートをRTしている、というケースが多いのだけど、特にその直後に批判しているということもないものばかりである(終わりの方で引用している北守氏のは違う)。いくつか紹介してみたい。

  ネット民がないことないこと殴るのを得意としてるじゃん。

 まあそれはおいとくとしても、メディアが一枚板になっているという発想がよくわからない。新聞の批判を雑誌がやったり、雑誌の批判を別の雑誌がやったりということはあるわけだが。昔は「噂の真相」というマスコミ批判を得意とする雑誌もあった。まああの雑誌自体がセミフェイク……まあいいや。

  おかしいな、俺の目には労働問題についていろいろと問題提起したり指摘したりしている野党の姿が多数見えているのだが。

  あの、産経って縮刷版を唯一持ってない全国紙なんですが。アーカイブも最近はじめたようだが、1992年からであるし無料でもない。

 というか、自分も聞蔵とか普通に使ったことあるんだけどね。確かに無料ではないけど、図書館なんかでは無料で使えるところもある。そもそも産経のアーカイブも無料ではないし、縮刷版があるおかげで図書館にいけばいくらでも読める朝日毎日読売のほうがアーカイブとしてはすぐれているのでは。

  そんなこと、今公務員の給与を握っている自由民主党に言えばいいと思うのだが。というか、自治労立憲民主党支持なので、国民でない人に立憲民主党は支持されているということかな?

  遡ってみると、どうもこの記事が気に食わなかったようなのだが、記事を読んでもそこまで腹を立てる要素が見当たらず、「あ、なるほどケチをつけるきっかけをこじつけたのね」としか思えない。どこかの大阪で起きたみたいなことを語ってるわけでもないし。というか、それで結局どこを支持政党としてブチあげることにしたんですか、という「野党批判」系の人についてのいつもの疑問に戻るわけだが。

  あの、今の国のトップに代々の金持ちが数名いますが、鈍じてないようにも喧嘩しないようにも見えないようなんですが。というか、荒んだ世の中にしたのって、主に20年位前の経営者陣や政治家のせいじゃないんですかね。

 

 

  このツイートをうけて、こんな発言をしている。

   「女性だけの住む街」にいちゃもんをつけたいようなのだが(ツイートをたどるとフェミが憎いとおぼしきツイートが多数RTがされている)、「光速一定の仮定で宇宙船の速度をどんどん上げていった時にですね」「その燃料はどこに入れるのでしょう」「加速のGで死なない体が欲しいんですが」みたいなことを言って何か意味があるのかな、と思うわけだ。というか、シン・ゴジラに失礼ではないか。

 こうやって話をはぐらかしてそもそもの問題から目をそらすようなやり方を平気で使う人がいくら共同通信がーと言ってみたところで、それこそ「マスコミを批判する資格」を問われるんではないかな?とも思ってしまう。

 ところでマスコミのデマといえば今一番ホットなのは産経新聞フェイクニュースを報じたという話ですが、こんなにマスコミのふがいなさに腹を立てているえふわら氏のホームにはそれについて触れているツイートが見当たらなかったことを付言しておきます。いやまあ、必ず触れなきゃいけないというものではないが。

 

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

 

 

 

『噂の真相』25年戦記 (集英社新書)

『噂の真相』25年戦記 (集英社新書)

 

 

 

訂正人語おわびスペシャル (噂の真相SPECIAL)

訂正人語おわびスペシャル (噂の真相SPECIAL)

 

 

 

相対性理論 (物理テキストシリーズ 8)

相対性理論 (物理テキストシリーズ 8)